2021/04/09 16:13
いつも素敵だなぁと思うのは、時を経て暮らしを共にしてきたノッティング。
「四,五十年経つかしらね。もっとかもしれないわ」って。
そこから時が遡って、「外村先生がね」って、懐かしいお話に花が咲く。
2時間くらいかしら、それとも半日くらい。お抹茶を頂きながら。
先日はポルトガルのロカ岬のことを。地図をみせてくれて、ここなのよって。
若い頃、スペインの学校に留学して、工藝を学ばれてたから。
思い出すようにおしゃべりされるお顔の楽しそうなことと言ったら、少女時代に戻ったみたいに。
でもでも、頑固一徹のところも。
「外村先生がね」と、廉価で良いものをといつもおっしゃっていたようで、
使い手の方にとっていいでしょって。ノッティングもずっとそのままのお値段。
糸を草木染めにしたり、紡いだりと、ひと手間かかっているから、私の方も心配になってしまうけど。
でもその分、お客様が喜んでくださるのがうれしいみたい。
特別に毛足が豊かで、くるまれるようなノッティングの厚みは、織手の使う方を想う、あたたかい気持ちそのままのような気がしてなりません。
頂いたばかりのノッティング、時を経ることもたのしくなってきます。